改修中の下屋の壁一面に積まれた薪。じいちゃんが積んだであろうその薪は、薪にされかれこれ35年〜50年ほど前の薪だった。幼い頃、真夏の暑い真昼間に薪割りをしているじいちゃんのとなりに陣取り、スカーンスカーンと割れていく木をわくわくしながら見ていた。割れた薪を集めておくのがわたしのお手伝い。小学生になってからは斧を貸してもらいスカーンと薪割りもした。真夏に汗だくになりながらの薪割りの爽快感は忘れられない記憶。

そんな薪も、お風呂が薪じゃなくなってから下屋の壁にひっそり積まれたままになっていた。今回下屋の改修作業をはじめてこの薪を薪ストーブのある施設で使ってもらうことにした。薪にまつわる記憶があるからすこし寂しい気持ちがあったものの、ただ置いておくよりは有効活用してほしいなと思って。積まれた薪を少しずつ束ににて運び出し移動先へ。2間半天井近くまで積まれた薪を友人助っ人3人とわたしの4人ではこびだした。これも薪にまつわる記憶に追加。移動先の薪ストーブに火が入った時の、あたたかさや感情はまた忘れられない記憶となった。

種小屋

土にふれ 香をかんじ 風をおこし 
むじゃきに
 私の声に耳を澄ます 
私のなかにこたえを 種まきを まるで長い冬の巣篭もりのように、大事にあたためながらゆったり準備をしています。 そろそろ雪解け間近かな。